ルーフィングの耐用年数は

ルーフィングの種類別の耐用年数

ルーフィング（下葺き材）は、屋根材の下に敷かれる防水シートで、雨水の侵入を防ぐ重要な役割を担っています。
ルーフィングにはいくつかの種類があり、それぞれの耐用年数は次のように異なります。
・アスファルトルーフィング：約10～20年 ・改質アスファルトルーフィング：約20～30年 ・ゴム系・合成樹脂系ルーフィング：約30年以上 これらはあくまでも目安であり、実際の耐用年数は設置環境や施工状態、メンテナンス状況によって変動します。
また、ルーフィングの上に施工される屋根材（仕上げ材）にも寿命があります。
例えば、アスファルトシングルは約10～15年、ガルバリウム鋼板は約30～50年が一般的です。
屋根の耐久性を考える際は、「ルーフィング」と「屋根材」の両方をセットで考えることが大切です。

環境による耐用年数の影響

ルーフィングの耐用年数は、設置される環境によって大きく左右されます。
日照時間が長い地域では紫外線による劣化が進みやすく、降雨量が多い地域では湿気やカビによる影響を受けやすくなります。
特に、沿岸部など塩害を受けやすい地域では、ガルバリウム鋼板などの金属屋根材にも腐食が発生しやすく、 下地のルーフィングも劣化が早まる場合があります。
このため、地域の気候や立地条件に応じた材料選定と、防錆・防水対策を行うことが重要です。

耐用年数を延ばすメンテナンス方法

ルーフィングの寿命を延ばすためには、定期的な点検と早めのメンテナンスが欠かせません。
アスファルト系ルーフィングでは、経年によるひび割れや剥がれが起こりやすいため、 屋根リフォーム時にはルーフィングの再施工（張り替え）を検討しましょう。
また、屋根材側のメンテナンスも大切です。
アスファルトシングルでは数年ごとの塗装・コーティング、ガルバリウム鋼板では錆止め塗料の塗布や定期的な点検が効果的です。
これらのケアを行うことで、雨漏りリスクを減らし、屋根全体の耐久性を高めることができます。

ルーフィングの劣化兆候と点検方法とは

ルーフィングの劣化兆候

ルーフィングは屋根材の下に隠れているため、直接目視で確認することは難しいですが、 次のようなサインが見られたら注意が必要です。
・屋根材の浮きやズレ ・雨漏りや天井のシミ ・屋根裏の湿気・カビ これらはルーフィングの劣化や破損が進んでいる可能性を示しています。
特に築15～20年を過ぎた住宅では、屋根材のリフォームとあわせてルーフィングの張り替えを検討するのがおすすめです。

屋根材の劣化兆候

屋根材の劣化もルーフィングの寿命に影響します。
アスファルトシングルではひび割れ・剥がれ・変色、 ガルバリウム鋼板では錆び・腐食・変色などが代表的な症状です。
屋根材が劣化すると、雨水が下層まで浸透しやすくなり、ルーフィングの損傷を早めてしまいます。
したがって、屋根材とルーフィングをセットで点検・補修することが重要です。

ルーフィングの適切な点検時期と方法

ルーフィングを含む屋根全体の点検は、少なくとも年に1回行うことが理想です。
特に、台風シーズン前後や梅雨明け後など、風雨の影響を受けやすい時期には入念なチェックを行いましょう。
高所での作業は危険を伴うため、専門業者によるドローン点検や屋根診断サービスの利用がおすすめです。

まとめ

今回は、ルーフィングの耐用年数、劣化兆候、点検方法、そしてメンテナンス方法について解説しました。
ルーフィングは屋根の防水性能を支える重要な下地材であり、屋根材と同じくらいメンテナンスが大切です。
適切な点検と早めの修繕を心がけることで、建物の寿命を延ばし、修繕費用を抑えることができます。
屋根を長く美しく保つために、ルーフィングにも意識を向けていきましょう。