施工事例

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施工事例

100年先へと受け継がれる輝きと伝統。三条市・仏閣山門の銅板葺屋根改修工事

屋根工事 200〜300万円
before 施工前
after 施工後
お客様のご要望
  • ・歴史あるお寺の山門を、重たい瓦屋根から、格調高く耐久性に優れた銅板屋根へと改修したい。

  • ・長年の雨風で傷んだ下地の腐食を根本から直し、次の世代へ安心して引き継げる状態にしたい。

  • ・仏閣建築特有の美しい曲線を損なうことなく、職人の技で細部まで丁寧に仕上げてほしい。

  • ・雪国三条の厳しい積雪にも耐えうる、強固な屋根構造と装飾の補強を行ってほしい。

  • ・伝統的な意匠を重んじつつ、最新の防水技術を取り入れた「雨仕舞」を徹底してほしい。


  • ご提案内容
  • ・瓦の重量による建物への負担を軽減し、仏閣の象徴となる最高級「銅板」への葺き替え。

  • ・信頼を寄せる熟練の大工と共同し、複雑な反りや曲線(みのこ)を再現するための下地全面刷新。

  • ・万が一の浸水も許さない、最高品質の防水ルーフィングによる「二重敷き込み」防水。

  • ・積雪による装飾(鬼)の潰れを防ぐため、内部へ高密度発泡材を充填する特殊補強。

  • ・工場加工と現場での「現物合わせ」を組み合わせた、一枚ずつ異なる形状の銅板手加工施工。


  • 施工内容
    施工箇所
    • 屋根
    施工内容
    • 瓦と下地材の撤去
    • 下地組み立て
    • 銅板屋根葺き
    工事費用 300万円(銅板工事のみ)
    工事期間 40日
    築年数 不明

    工事の詳細

     新潟県三条市に佇む、歴史ある仏閣の山門。 その屋根改修工事をご依頼いただいた際、私たち神田板金の職人一同は、身の引き締まるような光栄と責任を感じました。 これまで長くお寺の顔として参拝客を迎えてきた山門ですが、重たい瓦の重圧と経年による雨漏りが、建物の骨組みを静かに蝕んでいました。 住職様からは「この先100年、200年とこの門を遺していくために、今、最高の技術で直しておきたい」という切実な想いを伺いました。 私たちは、単なる「屋根の張り替え」ではなく、地域の歴史を次世代へ繋ぐ「文化の継承」として、このプロジェクトに魂を込めることを決意しました。


     まず着手したのは、長年屋根を支え続けてきた古い瓦の撤去作業です。 瓦を一枚ずつ慎重に降ろしていくと、案の定、その下にある木材の腐食は深刻な状態にまで進行していました。 仏閣建築の醍醐味である「寺折れ(てらぞり)」と呼ばれる繊細な曲線は、実は板金職人と大工の緻密な連携によってのみ生み出される芸術です。 私たちは信頼する熟練の大工さんとタッグを組んで、腐朽した下地をすべて取り除き、新しい木材で強固な骨組みを再構築しました。 この「下地作り」に最も多くの時間を費やしたのは、土台が完璧でなければ、どれほど高価な銅板を張っても100年の歳月には耐えられないからです。


     下地が完成したあと、私たちは防水性能を極限まで高めるため、防水ルーフィングを「二重」に敷き込むという万全の処置を施しました。 工事期間中、お住まいや仏閣を雨から守るため、ブルーシートで巨大な仮屋根(養生)を作成し、一滴の水も内部に入れないよう徹底しました。 いよいよ、私たちの真骨頂である銅板の張り込み工程に入ります。 銅板は張りたての輝きから、年月を経て「緑青(ろくしょう)」と呼ばれる美しい緑色へと変化し、その過程でさらに耐久性を増していく不思議な素材です。 しかし、その施工は極めて難しく、特に山門の曲がり角や反りの部分は、既存の型番通りにはいきません。


     私たちは現場で一枚一枚、銅板の形状を型取りし、職人の指先の感覚で叩き出し、折り曲げ、その場所だけにフィットする「一点もの」を作り上げました。 わずかなズレが全体の美しさを損なうため、一段ずつ丁寧に、根気強く葺き上げていく作業は、まさに自分自身との対話でもありました。 雪国三条ならではの工夫として、屋根の頂点に君臨する「鬼」の内部には、高密度の発泡材を注入いたしました。 これは、冬の重たい雪が装飾にのしかかった際に、中から支えを作って「潰れ」を物理的に防ぐための、私たちの経験から生まれた独自の補強術です。 最後に、屋根全体の波打ちを職人の手作業で微調整し、鬼を取り付けた瞬間、山門は新たな命を吹き込まれたかのように神々しく輝きました。


     40日間という工期を経て完成した山門の姿は、瓦の重厚感とはまた異なる、洗練された品格と力強さを湛えていました。 「神田板金さんにお願いして本当に良かった。これで私の代の責任を果たせました」という住職様の穏やかな笑顔を拝見したとき、私たちの胸には言葉にできない熱いものが込み上げました。 銅板屋根は、これから何十年、何百年という時間をかけて、三条の空の下で深みのある色へと育っていきます。 私たち職人がこの世を去ったあとも、この屋根が地域の人々を見守り続ける。 その誇りを胸に、私たちはこれからも、歴史ある建築物と、そこに込められた人々の想いを守るために、一打ち、一折りに魂を込め続けます。


    施工事例
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    瓦を撤去し、大工さんが下地を直します。曲線の多い建築となるので時間を要します。


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    下地が完成したら防水ルーフィングを2重に敷き込みます。

    工事中、養生のためにブルーシートで仮屋根を作成してもらいました。


    施工事例

    あらかじめ工場で加工した銅板の屋根材を一段ずつ丁寧に葺いていきます。 根気と技術を要する作業です。


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    曲がっている部分は型取りして一枚ずつ違う形のものを作り、重ねて繋げ葺き上げます。


    施工事例

    ここまで来るとあと少しです。


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    今回は既製品の鬼を使いました。 雪国なのでつぶれないように内部に発砲材を注入しました。


    施工事例
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    屋根の波うちを手作業で整えて、鬼を取り付け完成。


    神田板金からひとこと

     山門という、お寺の顔であり歴史の証人でもある建築物に携わらせていただき、光栄の至りです。 仏閣建築の曲線美を銅板で表現するには、通常の住宅工事以上の集中力と、何より「根気」が求められます。 雪国三条の厳しい冬からこの門を守るため、鬼の内部補強など、見えない場所にこそ最高の工夫を凝らしました。 輝く銅板が美しい緑青へと変わる頃、この屋根がさらに地域の風景に溶け込んでいることを願っております。


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